運行管理者指導講習会にて、労働基準法の講習を担当しました。

query_builder 2025/10/30
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こんにちは。 H&Y社会保険労務士法人 代表の山本宏史です。10月16日 NASVA(自動車事故対策機構)主催の運行管理者講習で講師を務めさせていただきました。 運送会社で日々現場を支える運行管理者の皆さんを対象に、労働基準法の概要や改正された改善基準告示についてお話ししました。 講習時間は2時間30分。 限られた時間の中でしたが、「法令を正しく理解し、どう現場に活かすか」というテーマを中心に、私なりの視点でお伝えしました。



講義テーマ:「労働基準法の基本」と「改善基準告示の改正ポイント」

今回の講義では、主に次の2つをテーマにしました。 労働基準法の基本的な考え方と運用の注意点 2024年に改正された改善基準告示の実務的な影響 運送業界においては、労働時間の管理や36協定の運用が非常に重要です。 特に、拘束時間の短縮や割増賃金の考え方、運転者の特例など、現場に直結するテーマには多くの方が関心を寄せていました。 講義では、単に「条文を読む」ではなく、 「なぜこのルールがあるのか」 「どうすれば現場で無理なく守れるのか」 という点を中心にお話ししました。


講習を通して感じたこと

正直なところ、講義中は反応が少なく、皆さんとても静かに聞いてくださっていました。 ですが、その真剣な表情から「現場での課題意識の高さ」を強く感じました。 講習後に個別で話しかけてくださる方も多く、 「拘束時間の短縮はどう対応すればいいのか」 「待機時間はどこまで労働時間に含めるべきか」 といった質問が寄せられました。 私自身、改めて運送業界の労務管理がどれほど繊細で、そしてどれほど大切かを実感しました。


法令遵守だけでなく、“信頼関係づくり”を

私が常に意識しているのは、**「コンプライアンス」と「信頼関係」**のバランスです。 法令を守ることはもちろん大切です。 ですが、現場では「人と人」の関係性があってこそ、法令が機能します。 法律は最低限の約束事。 その上に“安心して働ける環境”をつくることが、経営者と管理者、そして私たち社労士の役割です。 この考え方を、講義の中でも何度かお伝えしました。 参加者の皆さんの表情から、「ああ、やっぱりそうだよね」と共感の気配を感じられた瞬間があり、講師としてとても嬉しく思いました。


今後に向けて ― “伝える”から“対話する”へ

今回の講習を通じて感じた課題は、まだまだ「対話」が足りないということです。 講義形式ではどうしても一方通行になりがちですが、 現場のリアルな悩みや工夫を共有することで、学びはもっと深まるはずです。 次回は、もっと「反応が生まれる講習」にしたいと思っています。 たとえば、グループで事例を考えたり、他社の取組を共有したりすることで、 参加者同士が“気づき”を得られるような場を目指したいです。


労働基準法は、すべての業界に通じる“共通言語”

労働基準法は、運送業だけでなく、あらゆる業種・職種に共通する法律です。 どんな立場の人にも関係があります。 だからこそ、「難しい法律の話」と距離を置かず、 “自分ごと”として関心を持ってもらうことが大切だと思っています。 今回の講習が、そのきっかけになっていれば嬉しいです。 そして、私自身も現場の声を糧に、より実務に即した支援を続けていきたいと考えています。


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H&Y社会保険労務士法人

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