休憩が日によって違うがどう管理すればよいか

query_builder 2024/11/08
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ポイント:休憩時間の管理は大変ですが、カウントは一律とせず、ドライバーと運行管理者で確認し合い、その日の運行実態で計上することがベストです。


トラック運送業での休憩の原則

 休憩時間は一斉に付与することが原則ですが(労基法第34条第2項)、運送業では一斉にとることが難しく、この規制から除外されています(労基法施行規則第31条)。また、休憩は労働時間の途中に与えなければいけません(労基法第34条第1項)。ドライバーは、積み荷を下して精神的に早く解放されたいという心理から、十分に休憩を取得せずに帰庫してしまう傾向があります。そのような場合に帰宅前に休憩時間を消化させることは、中途に休憩を与えなければいけない労基法第34条違反となりますので、注意しましょう。

 

荷待ち待機は労働時間か休憩か

 トラック運送業においては、昔から荷待ち待機が休憩時間と扱われるかどうかが問題になっています。休憩時間とは使用者の指揮命令下にない時間をいいますが、ドライバーは車両を管理していなければいけないという業務の性質上、一般の職業に比べて自由な時間を確保することが困難です。荷待ちの指示を待ち、全く車両を離れることができない、いわゆる待機時間は労働時間に含まれます。待機時間は労働密度が低いことから、経営者としては休憩時間として扱いたくなりますが、前述のとおり、ある程度まとまった時間の自由が確保されていない場合は、労働時間として認定されます。

 

休憩の原則は運行指示書、ドライバー任せになっていけません

 何時に集荷し、荷下ろしし、どこで休憩するか、ドライバーの運行内容は運行指示書によって定めなければなりません(輸送安全規則第9条の3)。ところが実際の運行では、荷積み荷下ろしの状況や道路交通事情に運行内容より変化します。この時、その対応をドライバーの判断に任せてしまうため、休憩時間や場所などもドライバー任せになってしまう傾向があります。

 その結果、休憩時間の管理も実態ではなく、例えば1時間など一律にカウントするケースが多くみられますが、このような休憩時間管理は問題があります。まず、実際に取った休憩時間以上に休憩をカウントした場合には、労働時間が少なく計算され、賃金未払いが発生します。

 1日30分でも1か月では10時間程度の労働時間に相当します。休憩時間分の稼ぎが削られると感じてモチベーションが下がるドライバーは少なくないでしょう。逆に、設定時間以上休憩しているにも係わらず、設定時間でカウントするような場合には、トラックという会社設備の無駄使いとなり、真面目に運行しているドライバーの意欲を削いでしまいます。

 また、労基法上、8時間超の労働の場合は1時間以上の休憩を取らせなればいけません(労基法第34条第1項)。ドライバーの中には休憩を取るより早く仕事を済ませて帰りたいという者もいますが、労基法は強行法規であるため、労使双方の合意があっても、1時間休憩が取れる運行内容で指示しなくてはなりません。

 

提示している労働条件の休憩時間と運行指示書、運転日報が対応しているか

 労務管理担当者は、雇用契約書や労働条件通知書での休憩時間と運行指示書及び運転日報の実態の休憩時間が適切であるかを確認します。著しくこれらが乖離している場合には、整理し、整合性をとる措置が必要です。

 

休憩場所の記載、帰庫時に運行管理者と一緒に確認、サインをもらうなどの対応

 休憩場所の記載と時間の確認は、帰庫点呼時にドライバーと運行管理者双方で日報を見ながら確認し合うようにします。確認後にサインをもらうことによって、後々のトラブルを防ぐことができます。


社労士との発展


トラック運送業における「休憩」の取り扱いは、特に東京のような都市部では、ますます重要な課題となっています。東京は物流の一大拠点であり、ドライバーたちは交通渋滞や集荷・荷下ろしのスケジュールに常に追われています。そのため、運送業界の労働条件、特に休憩時間の管理が大きな問題となります。運送業は一般的な労働環境と異なり、ドライバーが一斉に休憩を取ることは難しいため、労基法の例外が適用されていますが、労働基準法第34条に従い、労働時間の途中に適切な休憩を与える必要があります。

社労士は、このような複雑な労務管理において非常に重要な役割を果たします。特に、東京のような大都市では、運送業の特性に合わせた柔軟な労務管理が求められます。例えば、荷待ち待機の時間が休憩時間として認められるかどうかの判断は、ドライバーの業務実態に深く関わります。ドライバーが車両を離れられない状況下では、待機時間は労働時間として認定されるべきです。この点において、社労士は法的観点からアドバイスを行い、企業が適切な労働時間管理を行うよう指導することが重要です。

さらに、東京のように運行状況が道路交通事情や荷下ろしの進行状況に大きく左右される環境では、運行指示書の内容と実際の休憩時間の管理が難しくなります。ここでも、社労士は、運行指示書や運転日報が労働条件通知書と一致しているかを確認し、必要に応じて調整を提案します。実際の休憩時間と記録された休憩時間に乖離がある場合、労働時間の過少計算や賃金未払いといった問題が発生する可能性があるため、これを防ぐための対策を講じることが重要です。

また、ドライバーが休憩を適切に取るように指導することも社労士の役割です。多くのドライバーは、早く仕事を終わらせて帰宅したいと考える傾向がありますが、労基法は強行法規であり、休憩を取ることが法律で義務付けられています。特に東京のように忙しい都市では、休憩の重要性を再認識し、ドライバーに適切な休憩を取らせるための運行管理を徹底する必要があります。

このように、トラック運送業における休憩管理は、労働法の遵守だけでなく、ドライバーの健康と企業の生産性にも直結する重要な課題です。東京のような大都市では、社労士との連携を深め、適切な労務管理を行うことで、持続可能な労働環境を構築することが求められています。

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